森千里さんと 戸髙恵美子さんが、その研究成果を2008年に出版した『へその緒が語る体内汚染』では、衝撃な事実が綴られている。
ここに書かれているように環境汚染物質や重金属が高確率でへその緒で見つかっているということは、1世代でデトックスできずに、へその緒を通して、次の世代へ、これらの化学物質がひきつがれるという、それもPCBやDDTのように既に使用禁止となって長い期間が経過した物質も生体濃縮されて高確率、濃縮されて検出されているということは、ショックな話である。
この調査では、測定対象にはなっていませんが、水銀や様々な薬剤など、胎盤関門を通って胎児にも蓄積される物質も、含め大変問題なのは、これらの化学物質や重金属が、胎児に及ぼす影響や、奇形を生む原因物質となってることである。
このような環境変化に対して、現代人にとっては、自己治癒力を触発させて、食やハーブやレメディーなどの力も借りて、1世代の中、子どもを産むまでの間に、これらへその緒から発見される、すなわち胎盤関門を通過する化学物質や重金属をデトックスして、できるだけ、次世代に受け継がない対処をすることが重要だと思う。
両氏の調査によれば、20人のへその緒の調査から、
・ダイオキシン類はへその緒で100%みつかっているという。
・1973年製造・輸入禁止となっているPCB類も100%検出されている。
・1971年にて農薬としての登録が失効して使用禁止になったDDT、親たちの世代では戦後はシラミ除去のために頭からかけられたあの有名なDDTですが、これも85%検出され、そのDDTから体内で代謝され生成されるDDEも100%検出されたという。
・フジツボなど船底につくことを防ぐとして船の塗料として使われてきたトリブチル錫も100%検出されている。
・除草剤の原料で製造・輸入禁止となっているヘキサクロロベンゼンが45%の方々から、検出された。
・農薬、殺虫剤として過去使用されたヘキサクロロシクロヘキサンが100%。
・有機塩素系の農薬で今も使われているエンドサルファンが90%。
・過去使用されていた農薬クロルデンから体内で生成されるトランスノナクロールが 100%。
・イタイタイ病の原因ともなったカドミウム45%検出されている。
こうやって見てくると、ここには書かれていない様々な農薬が今も使われていることは、本当に心が痛む問題である。
子ども達の世代のために、これから子どもを産む人達は、個人レベルではデトックスで、対策していくことは本人の健康対策としても重要だが、そもそも、このような、農薬や殺虫剤、除草剤などを必要とする農業の在り方自体にも大きな問題がある。このような次世代の生命を脅かす様々な化学物質や重金属を使った農薬を使わなくても、可能な農業に転換していくことが急務である。
ここにも解決策はある。地球生態系の微生物たちや、様々な生き物たちとのコラボレーションで、土づくりを大切にした自然型の農業へと転換していけば、農薬、化学肥料に依存しなくても、農業を行っていく道はある。
これら我々の世代の責任として求めらる大きなテーマに、将来の世代に禍根を残さぬように、まずは、できるところからでも、小さくても始めていきたい。こういった問題について、しっかりと受け止め、行動をしていく方が1人でも多くなれば、それだけ、よい社会になっていくと思う。