イベント御礼&由井大会長よりメッセージ■農業シンポジウム

6/18(土)に開催された「第14回 日本の農業と食を考えるシンポジウム」
今日のこの国が抱える農業と食についての課題や解決策を
1800名以上のみなさんと共有できたことは誠に有難い限りです。
伊豆の国市からの中継+東京を会場とした総勢9組の発表+豊受農民からの報告
長時間にはなりましたが、これまで以上に充実した内容でお届けする事ができました。

0107


シンポジウムで大会長を務めた、日本豊受自然農・由井寅子代表から
メッセージをご紹介させていただきます。

シンポジウムが大成功となり、皆様には大変感謝しております。

地方自治体と民間が力を合わせて、農業の底上げにつなげる事例を、伊豆の国市から発信できたと思います。これをモデルケースにして、多くの方々が色々な県や自治体を巻き込んで自然な農業を推進していく事ができたらすばらしいのではないでしょうか。

豊受自然農は、農業部・加工部合わせて40数名いますが、同じ目的を持ってみんなで一丸と目標に取り組んだ結果、個々が10人分くらいの力を発揮したような気がしています。豊受自然農の一番の強みはそこだと思います。

法人として数十名がチームとして取り組んでいくことは、自然農にとっては一番理想的だと思います。しかし、自然農を実践している農家さんは家族単位・夫婦単位の方がほとんどで、法人規模の事例は、多くない気がします。昔の農家は、個人主義ではなく、みんなが手伝って田植えをしていました。誰一人残さず、全員が隣近所の田植えを行うのです。協同組合の本当の意味はこれかもしれません。耕運機も一つあれば村の田畑を耕すには十分でした。人々が食べて健康になる自然農の農作物を、より多く生産・提供できるように、私たちがモデルとなって取り組む必要があると感じています。

農業シンポジウムでの印鑰さんの発表にもありましたが、今、モノカルチャーとして、農家は出荷用作物を単体で山ほど作れと言われています。ブラジルでは輸出のための遺伝子組み換え大豆を大量に作らされて、米や小麦などの主食を輸入しなくてはいけないという事態が起きています。その国の主要穀類をアグリメジャーに握られた状態はとても危険だと思います。だから、輸出するための単一栽培ではなく、ひとつの農家が色々な作物を育てる、品種の多様性が大切なのです。

また、農家が国からの補償金で食べていくのではなく、農家が自立して、自ら加工販売も行い、仲買いを挟まずに自分たちが直接買う人とつながっていくことが求められています。豊受がそのモデルとなっていきたいと思っています。

農業そのものが軽んじられないためにも、「農家=みすぼらしい」ではなく、みんながあこがれていく仕事にしなくてはいけません。自然農にはお金には置き換えられない豊かさがあります。食が安全こその栄養もあり、自分でそれを育てて頂くことで、魂がリッチ、環境がリッチ、水が、太陽が…金銭だけではない豊かさを私たちに与えてくれるのは、自然農です。

これからの私たちの課題は、関心を寄せてくださるみなさんに、充分な量を提供することです。栄養価が高く安心して食べられるいい作物を作っていても、お求めになりたいと言ってくださる方々全員ににお届けできていない現状があります。生産量を上げていくためには、さらに農地を確保しなくてはいけません。田んぼは少なくとも、100反以上を目指しています。そうすれば豊受百姓弁当ももっと多くの方々に提供できるようになるでしょう。これからも、農民として、より頑張っていきたいと実感しています。

日本豊受自然農代表・由井寅子

 

0118

シンポジウム全体のプログラム&レビューは
こちら【特設サイト】より<開催報告>をご覧ください♪

お見逃しの方は、こちらのリンクよりお申込みで7/1 26時まで
【見逃し配信】をお届けしております。